債務不履行とは発生した場合について

債務不履行は名前の通り債務の不履行のことで、端的にいえば法的な義務が履行、つまり義務が果たされないことを意味します。
債務は契約によって発生するもので、例えば注文した料理が出てこないケースなどが当てはまります。
債権者のお客さんには注文した料理を受け取る権利がありますが、債務者のお店側には料理を提供する義務があるわけです。
この義務が債務、果たされないことが不履行となります。
約束が守られないことには理由があるはずですが、債務の履行が可能な状態であれば、債権者が債務の履行を請求できます。
あくまでも請求する権利なので、請求権のみだと強引に履行させることはできませんが、債権者の意思を伝えることは可能です。

請求に従わない場合

請求に従わない時は現実的履行の強制という、国家権力を使った債権を強制執行させる方法があります。
これは民事執行法に規定があって、債務の性質が履行の強制を許す場合に使える手段です。
不動産であれば執行官が債務者の占有を解いて、債権者に占有させるといった方法をとります。
動産についても同様に、執行官が債務者から取り上げて債権者に引き渡すことをします。
借金返済などの債務だと、財産の差し押さえや競売に掛けた売上の代金で弁済となります。
特定の行為を目的とする債務不履行の場合は、裁判により債務者に意思表示が行われます。
ただし、法的行為以外の行為に限っては、強制すると奴隷的拘束の憲法に反してしまうので強制不可能です。
債権者には契約を解除できる権利があり、当事者が一方的に債務を履行しない場合、期間を定めて履行の催告をした上で債務不履行が続けば解除が行なえます。
しかし契約や取引が社会通念に照らし合わせて軽微と判断されれば、契約を解除することはできないです。

原状回復義務

ちなみに履行不能などの事由があれば催告なしに解除可能で、解除が成立すると契約がなかったことになり、債務者には支払い済みの代金を返済する義務が生じます。
これを賃貸契約でおなじみの原状回復義務といいます。
債権者は履行請求や契約解除後であっても、代金の返済などとは別に損害賠償請求をすることができます。
納入の遅れで損害が発生した場合などに、債務者は損害を賠償する義務が生じる恐れがあります。
損害賠償は不履行の事実や債務者に帰責事由があること、不履行によって損害が発生した因果関係といった要件を満たすことが請求に必要です。

債務不履行の3つの分類

債務不履行は履行不能と履行遅滞、そして不完全履行の3つに分けられます。

履行不能

履行不能は何らかの理由で納期に納品が間に合わない、1点物の商品を壊してしまったなどが該当します。
債権者には契約解除と損害賠償請求の権利があるので、損害分を取り戻すことができます。

履行遅滞

履行遅滞は文字通り履行の遅れのことで、一般的に納期の遅れなどを指します。
代金の支払いの遅れも履行遅滞なので、支払いに遅れがあれば遅延損害金の支払いが求められます。

不完全履行

債務が履行されたにも関わらず不完全な場合は、不完全履行として損害賠償請求できる可能性があります。
オーダーメイドした商品が注文と違うと不完全履行ですが、納期が間に合わなければ履行不能、遅れが生じれば履行遅滞となります。

債務不履行が発生した場合に取れる手段

債務不履行が発生した場合に取れる手段は4つで、損害が出ていれば損害賠償請求が有効です。
(参考・・・債務不履行 損害賠償
また契約が有効な状態だと契約解除に双方の同意が必要ですが、不履行となれば同意なく一方的に契約を解除できます。
契約を解除するメリットは代金を支払うなどの債務の回避で、商品納入の約束が守られなければ、代金を支払う約束も守らずに済みます。
不完全履行状態でも履行不能や履行遅滞ではなくまだ間に合う場合は、完全な履行を求めることができます。
注文した商品が足りなければ不足分、商品が違う物なら正しい商品の要求となります。
借金返済の期日が守られない場合は、裁判によって強制執行という手段が取れます。
最初は相手の意思を尊重して返済を促しますが、応じない時は強制執行で問題の解決を図ります。
ただ、強制執行は国家権力で強力ですから、最初から使うことのない最終手段です。
強制執行が発動すると、債務者は預金から強制的に債権者にお金を返すことになったり、勤務先が判明していれば給与から返済が行われることになります。

まとめ

債務不履行といっても種類は1つではなく、取れる手段も債務の内容によって違います。
債権者が何でも請求できるとすれば、それは権利のバランスが崩れることになるので、損害賠償などには要件が設定されているわけです。
とはいえ、引越しで業者に物を壊されてしまったり、オークションで1つしかない商品を二重に売ってしまった場合など、損害賠償請求が絡むケースは割と身近にあります。
損害賠償請求に時効は存在しますが、一般的には10年で商事債権でも5年となっています。
もし不履行に遭ったり不履行を発生させてしまった場合は、速やかに話し合って問題解決を目指すのが基本です。
話し合いが難しく相手が応じないのであれば、弁護士に相談する検討の必要が出てくるでしょう。